沢木耕太郎の書く文章が好きで、新著が出るとつい買ってしまいます。古くは『テロルの決算』『危機の宰相』そして、ご存じ『深夜特急』(マカオ編がいちばん好きです)。最近では『キャパの十字架』『旅の窓』など。彼の文章には、車窓を眺めながら揺られているようなリズムがあって、どこに連れて行かれるのか分からないけれど、このままずっと揺られていたい、という気持ちにさせられますね。
『流星ひとつ』は、藤圭子のインタビューですが、いわゆる字の文なしの、台詞のみで構成するというスタイルが用いられています。私は藤圭子を宇多田ヒカルによって知りましたので、当時の藤圭子を知りませんが、それでも彼女の魅力がぞんぶんに伝わってきて、まったく飽きることがありませんでした。とりあえず、ウォッカとレモンを買ってきて、ウォッカ・トニックを飲んでいます。
(田岡)