香川県丸亀市の弁護士・田岡直博と佐藤倫子の法律事務所です。

〒763-0034 香川県丸亀市大手町2丁目4番24号 大手町ビル7階

香川県丸亀市の弁護士ブログ
お城の見える窓から

<< 2013年は,離婚・男女関係に関する相談が最多 | main | 「弁護士紹介」に射場弁護士を追加しました >>

なぜ,被告人は裁判官に向かって謝るのか

 論告・弁論が終わると,被告人の最終陳述である。何を言ってもかまわないが,実際には「本当に申し訳ありませんでした」「もう二度と,こんなことは致しません」と謝罪と反省の言葉を述べることが多い。やっぱり,裁判官の心証を悪くしたくないからね。そして,裁判官は,判決を言い渡した後に「最後に,裁判官から一言。もう二度と犯罪を犯さず,立ち直ることを期待します。」みたいなことを言うことになっている。いわゆる説諭である。
 
 しかし,考えてみてもらいたい。なぜ,被告人は,裁判官に向かって謝り,そして裁判官は何の権限があって「説諭」なるものをするのだろうか。謝罪するのなら,被害者に対して謝罪するべきではないか。

 裁判官は,公務員である。確かに法律の専門家かもしれないが,道徳の専門家ではないし,人の道を説く修行をしているわけでも,功徳を積んでいるわけでもない。立ち直りを「期待」するのは勝手だが,それは福祉事務所の職員が「早く生活保護から抜け出せることを期待します」と言ったり,税務署職員が「来年は,もっと税金を納められることを期待します」と言うようなものであろう。

 結局,被告人は,裁判官の心証を悪くして,刑を重くされるのが嫌だから頭を下げているに過ぎない。頭を下げる相手は,裁判官その人ではない。裁判官という職業に対して,頭を下げているのだ。もちろん,そんなことは百も承知の上で,本心から立ち直ってもらいたいと思って,説諭をする裁判官もいるだろう。そして,それにより立ち直る被告人もいるかもしれない。そういう意味では,私も説諭が無意味だとは思わない。

 しかし,このような法廷を見た被告人,あるいは傍聴人はどう思うだろうか。そうか,裁判官に対して謝れば,もしかしたら刑が軽くなるかもしれない,と思うのではないか。そして,「説諭」はこのような印象を補強するものになってはいないか。ときどき説諭を聞いていると,「本来は打首獄門のところ,忠義に免じて名誉の切腹」と言われているかのような錯覚にとらわれることがある。

(田岡)
| 2014.01.12 Sunday|コラムcomments(0)|-|

コメント










Calendar

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   
<< February 2018 >>

Category

Latest Entry

Comments

Archive

Mobile

qrcode

Links

田岡・佐藤法律事務所

〒763-0034 香川県丸亀市大手町2丁目4番24号 大手町ビル7階

香川県弁護士会所属
弁護士 田岡直博・佐藤倫子・佐野美鶴

電話 0877-85-7742

FAX 0877-85-7743

香川県丸亀市大手町
香川県丸亀市大手町