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絶望の裁判所

 ある裁判官が『絶望の裁判所』という暴露本を出版して話題を呼んだが,私も日々このことを痛感している。まさしく『絶望』の裁判所であると。

 その意味は,こういうことだ。

 裁判所を訪ねる人は,多かれ少なかれ,裁判所に『期待』をしている。裁判を起こせば,自分の権利が認められるはずである。自分の権利が実現するはずである。裁判所こそは正義のよりどころであり,最後の砦であると。

 しかし,実際に裁判を起こしてみると,そのような期待はことごとく裏切られる。

 裁判所に訴状を提出すると,最初に期日が開かれるのは1か月以上も先だ。最初の期日には,被告は当然のように欠席する。本来は理由付きの認否を義務付けられているはずなのに,「追って認否する」という人を食ったような答弁書が出るだけだ。実質的な審理は第2回から。しかし,この期日に何をするかと言えば,裁判官と代理人が期日の調整をするだけだ。ものの5分もかからない。こうしてのらりくらりと引き延ばされ,判決が出る頃には,半年も1年も経っている。

 お金の問題ならまだいい。子どもの引渡しであるとか,物の引渡しであるとか,こちらは急いでいるのに,とにかく遅い。

 多くの原告は,こうした裁判の現実に「絶望」し,あきらめて不本意な和解を強いられることになる。結局いまの裁判の和解率の高さというのは,多くの場合,裁判の遅延に苛立ち,絶望し,あきらめて,消極的に選択された結果に過ぎない。もし訴えを起こしてすぐに判決を出してもらえるなら,和解ではなく判決を選択する率は飛躍的に高まるだろう(実際に簡裁の交通事故事件はすぐに尋問期日が入るため判決率が高い。そして,ほとんどが控訴なく確定している。)。

 もちろん,裁判所も役所であるから,物的・人的態勢に限界があることは認める。予算がなければ,拡充はできない。そして,多くの裁判所職員と裁判官は忙しい中で,努力をしている。個人的には,良い人が多い。私も,そのことは否定しない。

 しかし,裁判の現状がこのままでよいとは思わない。ドラスティックな改革はできなくとも,少しずつ改善していくことはできるはずだ。例えば,書面の提出期限や期日指定などは,弁護士が努力しさえすればいますぐにでも改善できることだろう。私はまだ絶望したくない。

(田岡)
| 2014.09.19 Friday|コラムcomments(0)|-|

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