先週になりますが,司法修習生と一緒に ハンセン病の元患者の方々が暮らす 国立療養所大島青松園 にうかがいました。
平成8年に「らい予防法」が廃止されるまで90年にも及んだ国の隔離政策がどんなものであったか,それがどれほどたくさんの人々の尊厳を奪ってきたのか。
10代(8歳という方も)に発症して青松園に入所し,以降,家族との縁も断たれ,偽名を余儀なくされ,苛酷な患者作業のために重い後遺症を負い,結婚しても断種手術や堕胎を余儀なくされた元患者たち。遺骨の引き取り手もなく,亡くなってなお故郷に戻ることのできない方が多かったそうです。また,何十年もの間施設での生活を余儀なくされた元患者の多くは,晩年退所可能となっても,高齢や重い後遺障害,生活基盤・社会的絆の喪失,根強い社会の偏見から退所できず,そのまま島での生活を続けざるを得ませんでした。
今回の訪問では,その重すぎる事実に圧倒されるとともに,それでもなお,極限のなかで前を向いて人間の尊厳を問い続けてきた,元患者である 詩人 塔和子さんの言葉の数々に,本当に,本当に心を打たれました。
うかがえて本当に良かったです。ひとりでも多くの方に,訪れてほしいと感じました。
(佐藤)