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鹿児島県弁護士会の責任能力研修の講師を務めました

 鹿児島県弁護士会の研修「責任能力が問題となる事件の弁護活動」の講師を務めました。

 鹿児島で,責任能力の研修をするのは2回目です。前回は7年くらい前で,私はまだ東京の桜丘法律事務所に所属しており,九州新幹線が開通した直後でした。

 当時は平成19年度司法研究や厚生労働省研究班の「精神鑑定書作成の手引き」を踏まえ,平成20年,平成21年に相次いで最高裁判例が出され,「7つの着眼点」が全盛の時代でした。

 その後,時代は変わり,平成27年度司法研究では,精神障害(精神症状)が犯行に与えた影響の機序(仕方)が重要なのであって,7つの着眼点はその説明に解消されるべきであるということになりました。

 それにしても,この7年の変化はいったい何なのでしょうか。この間に医学的知見の進展や学術的な発見があったわけでもないのに,最高裁が司法研究を発表しただけで,責任能力判断の在り方や評議の進め方が変わったのは,なぜなのでしょうか。裁判官には自主性や知的誠実性はないのでしょうか。

 平成27年度司法研究では,「1回精神鑑定がなされれば,前提条件に問題がない限り再鑑定は採用しない。逆に再鑑定を採用したら起訴前鑑定や私的鑑定は採用しない」などという極端な方向性が示されています。しかし,なぜ1つに絞る必要があるのでしょうか。複数の精神科医の意見が異なるならば,そこには理由があるはずです。なぜ,その意見を聴こうとしないのでしょうか。なぜ,理解しようとしないのでしょうか。徹底的に審理を尽くさないのでしょうか。裁判員には判断が難しいから,話を聴くのはやめましょうというなら,裁判員制度なんかやめてしまえばよいと思います。

 裁判員制度が始まって10年。官僚組織の常として,できる限り楽な方に,結果を予測できる方に,マスコミや国民から批判を受けない方にという圧力が働いています。その流れにあらがい,裁判を生き生きとしたものとし,法廷を真実を発見する場にするためには,異なる意見があることを提示していかなければなりません。検察官側の精神科医がいうことだけが,唯一の真実ではないことを明らかにしなければなりません。それができるのは,弁護人しかいません。責任能力が問題となる事件では,弁護人の役割は大きい。そんな話をさせていただきました。

(田岡)

| 2019.04.21 Sunday|研修・講演comments(0)|-|

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